denmark

2006年12月26日 (火)

ターニングポイントの話

何だか暖かいクリスマスも終わってしまいましたね~。街からは一気にクリスマスデコレーションが姿を消すんだろうなぁ。。。

日本では、26日になってもツリーがあったりするのは、何となく「場違い」っぽい空気が流れますよね; 一夜明けた途端にイルミネーションが紅白の垂れ幕に変わり、サンタが門松に変わる・・・(笑)なんだかんだ言っても日本人にとっては、お正月の方が肌なじみのあるソワソワする行事なんだろな。

でも、3年前、私がクリスマスを過ごした北欧では、この時期も街にはまだまだしっかりツリーが存在感を放っていました。だいたい年明けの1月8日頃に撤去することが多いみたい。Twelfth Nightと言って、クリスマスの12日後よりも早く片付けるとよくないことがあると言われているようです。日本でも「お雛様を遅くまで飾ってると行き遅れる」って言いますよね!こちらはヤケにリアルな・・・;

話がそれましたが、2003年の夏から1年間、私はデンマークで学生をしていました。
そしてその年のクリスマス休暇(約1ヶ月間)は、北欧を中心に友人宅とユースホステルを渡り歩くバックパッカーとなりました。

せっかく1ヶ月も旅をするなら何かひとつ目的を持って行きたいな~と思ったことと、プロダクトデザインのクラスにいたので、何かこの旅で作品を作れないかなと考えたことがきっかけで、私はあるひとつのテーマを抱えて旅に出ることにしました。

「THE KNITTING PROJECT」
“行く先々の街で見たモノや感じた空気を、毎日編み物に置き換えていく” というもの。
自分で決めた条件としては
①その材料となる毛糸は、街々で感じた空気に合わせてその土地で買うこと。
②その土地で見たものをモチーフとして編みこむこと。
③各土地で、編んでいる自分を写真におさめていくこと。

この3つ。

はっきり言って編み物なんて全然得意じゃありませんでしたよ・・・
ただ、北欧と言えば刺繍や編み物、織物など盛んな国々。テキスタイルは元々とても好きだったので、今回の旅では絶対に民族衣装など布製品を見たい気持ちがいっぱいだったところにリンクしたのかもしれません。
先生にその話をしたら、「それなら、モチーフを編みこんでみたらいいわ!!」って言ってくれたんだけど・・・え・・・モチーフ・・・やったことないけど・・・
でも後には引けず、挑戦するしか道はありません;

こうして、テーマを携えて1ヶ月間の間に、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、チェコ、イギリスを周りました。

具体的な話は、山のようにあるので書ききれませんが・・・

Torms1_5 地の果てのような、一日中暗い北極圏の雪の中に光る灯りの美しさに感動し(オーロラにも遭遇!)・・・




Troms2_4 編む。






Sus3_2ギブギブ!!というくらいクリスマスディナーを食べ・・・



Sus5_1

編む。




Oslo2_1 友達が子供の頃の民族衣装を見せてもらって興奮し・・・





Oslo1_1

編む。




Stockholm2_2 ストックホルムで年を越し・・・・




Stockholm8_5 また編む。




Helsinki1 鼻の奥がシャリシャリする・・・・



Helsinki7それでも編む。




Praha5異国のジャズライブに鳥肌を立て・・・



Praha8ちょっと拝借して・・・編む。



Cutting_tree1 Cutting_tree2 Cutting_tree3 ツリーがこうなっても・・・
Praha6_1編む。




London2_1危険な香りいっぱいのパンクなユースホステルでこわばった夜を過ごし・・・


London3それでも編む。編む。編む。






五感の全てが刺激された旅の中で、完成図など考えずに自由に編んでいったら、こうなりました。
Knit1_2  その後、この旅の写真を使って簡単なムービーを作り、作品と共に後に学校で発表させてもらうことができました。
私にとってとても大切な、最高にステキな先生Nannaは、このプロジェクトを気に入ってくれて、言ってくれました。
「今は見たものを、ボタンひとつでカメラやビデオに納めることができるけど、記憶は薄れていってしまう。でも、自分の手を動かして留めた記憶は、時間が経ってもそれを見る度に、その時の空気を鮮明に思い出させてくれるのよ」

その時はまだあまり実感できなかったけど、あれから3年。時間が経つごとにその言葉の意味を痛感します。毎年あのマフラーを手にし、眺めると、あの時の冷たい空気と雪の匂いや、暖かい灯りや笑い声が、ものすごい臨場感を持って迫ってきて、ひと時のタイムスリップ状態に陥ります。。。。写真も大好きなんだけど、毛糸という柔らかな手触りをもって戻ってくる記憶には、温度がある、そんな感じ。

どちらかと言うとモノ作り恐怖症だった私が、デンマークでモノ作りに関わって以来、今でもこうして続けている一番大きなターニングポイントになったのは、このニット。
誰のためでもなくて、ただ自分の思うことを表現するってことは、本当に自由で楽しいことなんだ ってそれまでの呪縛から解放させてくれた、大切な作品です。

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